家の鍵を忘れた話

日常

 鍵を持たずに家を出てしまった。マンションのオートロックが開けられない。気が付いたのは楽しかった予定が終わりご機嫌で自宅マンションに帰って来た時。普段はちゃんと鍵を持ったかチェックして出ているのに。

というのも、オートロック締め出しは人生で2度目だ。
1度目は、早朝、ランニングに出かけて鍵を落したことがあった。その時は、ランニングコースだった河川敷に戻って探してみたけれど見つからなかった。スマホは持っていたので鍵の110番的な所に連絡して開錠してもらった。費用約2万円。それ以来、外出する時は、鍵を持ったかチェックを欠かさない。

 この日は、いつも違う行動パターンを取ってしまった。慌てて出かける準備をしたわけでもなく、朝からとても暑く、外を15分ほど歩く予定だったので、普段持ち歩かないハンディファンと塩飴を鞄に入れたせいだ。情けない、自分のキャパの少なさよ、、、。

 ハンドバックの中を必死に探して(受け入れたくない事実だったので同じ箇所を2,3回ゴソゴソ)、確実にないと分かった時、とりあえずマンションの裏口に回って、運よく扉が開いてないかチェック。
当然ながら開いていない。開きっ放しだったところを見たことがない。セキュリティーはとしてはバッチリ。
もう一度、表玄関に戻って、誰かが出てこないか少し待つ。平日の13時台、単身者向けのそこまで大きくないマンションに出入りする人はほぼいないだろう。セコムに連絡して開けてもらうか、5,400円かかるらしい。

 もう何も決められない。この現実から逃れるために近くのカフェに向かった。アイスコーヒーとバウムクーヘンを購入して席に向かい、一旦気持ちを落ち着かせた。

 マンション管理会社のスマホアプリを開いて、「鍵を忘れて外出した時の対処法」を調べる。
「よくある質問」に対処法を見つけた。誰かのマンション出入りのタイミングで入るか、別の部屋の住人を呼び出して開けてもらうか。公式の方法にしては難易度高ない?
同じマンションに知り合いなんかいないし、誰かを呼び出すにしても、下の階から?最上階から?平日のこの時間どの部屋に人がいるの?知らん人のためにオートロック開けてくれる人おるんか?もう泣きそう、、、。

 解決策を整理すると、

  1. 管理会社に連絡してみる。
    →多分、アプリに書いてある方法を提案される。
  2. セコムを呼び(5,400円)。
    →そもそもオートロックの開錠は対応してくれるのか?
  3. 一般的な会社員が帰宅する時間帯17、18時まで誰かの帰りをひたすら待つ。

ひとつ、懸念事項があり、帰宅途中でスーパーマーケットに寄って購入した鯖と豚ひき肉が心配。早く冷蔵庫へ入れなければ。時間を潰す③の選択肢は消えた。

 もう、時間ももったいないし帰ることにした。マンションに着いて、しばらく待って誰も出入りしなかったら管理会社に電話してみよう、ダメならセコムだ。意を決してカフェを出た。

ゲリラ豪雨!最悪だ!出るタイミングミスった!

 さらに暗い気持ちでトボトボ帰りながら、通りにあるスギ薬局に寄って、ずっと買いそびれている目薬を買おうかと一瞬考えたけど、荷物も重いしそんなことはもうどうでもいい、諦めた。
自宅マンションが見えてきて、傍を歩いてる人がマンションに入っていかないか、誰か出てこないか期待をしながら家に向かう。誰か出てきたら、恥を捨て声をかけよう。「すみません、鍵を忘れて家を出てしまったので、戻って開けてくれませんか?」と。
そんな都合のいい人は現れず、自宅マンションに到着。

オートロックの向こう側のエレベーターホールを覗いてみる。なんと!エレベーターが動いてる!!
もっとよく見てみると、降りてきている!!おぉっ!!ありがとう神様!あの時スギ薬局に寄らなかったのは大正解◎!

 エレベーターが1階について、ラフな格好をした金髪の女性が降りてきた。その女性がこっちを見ている。握手してお礼の伝えたいところだが、変な奴だと思われたら困るため、私は鍵を忘れた素振りは一切見せず(30分前にめちゃめちゃテンパったのでもう余裕よ)今帰ってきました感を醸し出している。

オートロックのドアが開いた瞬間すかさず入る。そして降りてきた金髪の女性はポストを確認している。

「ありがとう金髪の女性。あなたが降りてきてくれたおかげで私は家に帰れます。でもごめんなさい、私はあなたを待たずにエレベーターに乗り込み帰ります。サバと豚ひき肉が心配だから、一刻も早く冷蔵庫に入れてあげたいの。せめてもの気持ちとして、エレベーターが早く降りて行くように1階と閉まるボタンを押しておきました。少しでも早くあなたが部屋に戻れるように。本当にありがとう。」

同じマンションに知り合いが欲しい。

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